82年生まれ、キム・ジヨン

書評

夫がこの記事を書いています。

0.こんな人におすすめ

  • 男兄弟しかいない男
  • 新婚夫婦の男
  • 女性がいる職場で働く男
  • 生理って辛いの?とか思う男
  • 日本が完全な平等社会だと思っている男

⇒ 男性にこそ、本当に読んでほしい。

1.読んだきっかけ

半同棲期間を含めると妻とは3年くらい一緒の家で暮らしているのですが、駐在を開始して妻が所謂専業主婦になり、またコロナによる在宅勤務で一緒にいる時間が長くなったことで分かったことがあります。生理前後で結構、女性は変わる。そして生理の初日夜から3日目位まではかなり辛そう。(浅いコメントでごめんなさい)

きっと、これまでも同じように毎月辛い時期を超えてきたのだろうし、生理中でクソお腹痛い&血がドボドボな状況でも営業職としてお客さん周りをしたり、上司に成績を詰められたりしていたかと思うと素直に凄いなと思います。いつだったか、一緒に出勤した時に分かれる駅のホームで貧血になってたこともあったよな、、。

そんな時に書評ブログで発見し、ポチりました。

2.本の概要

2016年10月に販売開始され、韓国では2020年時点では130万部を超えた「女性の生きづらさ」「男性の無自覚なセクハラ」をテーマとした小説(ノンフィクション・ルポを読んでいるかのような気分になるけど)。なお、過去韓国で100万部以上のミリオンセラーとなったのは10年ぶりのことだった模様。

韓国では2019年に映画化されて興行収益トップを叩き出し、評論家から絶賛された。その後世界各国でも上映された。日本でも話題となった。

3.どうしてそんなに話題になったのかを考察

2020年のGlobal Gender Gap(世界男女間格差)で153か国中108位韓国は、男女平等の観点では後進国だ。なお、日本は121位で韓国よりも下にランクしていることは特筆しておきたい。僕の拙い知識でも、朴槿恵(パク=クネ)が女性大統領に就く等、政治の分野では少なくとも韓国が先を行っている。つい最近(2021年2月25日現在)、DNAの南場さんが史上初の経団連女性副会長に就くと報じられたが、これまでいなかったのかと驚く。ちなみに、「副会長」は18人もいるらしい(笑)

Gender Gapの統計データは以下参考。

http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf

本が発売された2016年後半の韓国は同国で女性初の大統領になった朴槿恵に収賄の疑いがかけられた時期だ。元来、日本同様にどこか男尊女卑の文化がある韓国では女性の社会進出の象徴ともいえる朴槿恵が糾弾される=女性蔑視の発言が目立っていたことは想像に難くない。(なお、彼女は2017年に罷免・逮捕され、2021年1月に懲役20年の実刑判決が下された。)

一方で、2017年後半はTwitterでのAlyssa Milano(アリッサ=ミラノ)の発言に端を発する、#MeToo運動が世界中に広まった時期だ。この運動は韓国でも広がり、「82年生まれ、キム=ジヨン」はこういった追い風を受けたのではないかと思う。

4.読んでみての感想

ハッとすることの連続だった。

まずは生理の問題。会社に毎月必ず遅刻したり、体調不良で早退・欠勤する女性がいて、滅多に風邪をひかない自分は心配しつつも、体調管理ができない人だなと思ってしまっていた。妻を見て、本を読んで見て思う。多分、彼女は相当重い生理痛を抱えている人だったんだなと。低用量ピルとかあるみたいだけど、薬を飲むのに抵抗がある人は絶対いて、そんな簡単な問題ではないと思っている。

次にライフステージの問題。自分の場合も駐在がゆえに妻を退職させてしまい、言ってみれば妻のキャリアを断ってしまった部分があると思っている。妻が「退職して自分といること」を選択したと考える人もいるかもしれない。それだけならまだよいかもしれないが、アラサーの我々夫婦は子供が欲しいと考えていて、タイミング的にはそろそろだと思っている。そうなると駐在から帰ってすぐ or 今が出産・子育ての時期にあたり、復職も容易ではない。出産期間は男性には絶対的に存在しないもので、女性の人生設計を難しくしていると感じる。なお、自分も全力で子育てはしたいし、必要なら転職も考えるけど、世帯年収を下げるリスクはあまり取りたくない。

とにかく、この本を読んで思うのは性差というのは明確に存在していて、それから目を逸らさずに考えることの重要さ。一部のスーパーウーマンがモノともせずに活躍していることがどれだけすごいことなのかを自覚し、身近な女性の困難に目を向けるべきということ。自分は何よりもまず、妻の苦労を理解し、共有することが大事だなと思う。

(妻よ、ごめんなさい。テレワーク中イライラしているときに、お腹痛くて寝ている貴方にあたってしまっていることを。頭ではわかっているのだけど、、つい。)

                                     以上

コメント

  1. イライラされてることに気づいてなかった妻 より:

    本題とは少し逸れるけど、生理痛については性差は無論、個人差もあるから、同じ女性にすら分かってもらえないというケースもあるのが更に辛いところ。
    とにかく自分が経験したことないことを経験(苦労)している人への想像力やそのための知識は男女ともに必要よね。途中から謝罪文みたいだけど(笑)私より先にこの本を読んで色々と私のことを考えてくれたことに感謝です。

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